季節別の食べ方を紹介!胃腸を整え体を元気にする「やまいも」

季節別の食べ方を紹介!胃腸を整え体を元気にする「やまいも」

漢方カウンセラーの星川美由紀です。“キッチンから健康に”をモットーに、お家でできる食養生をお伝えしています。

春にとりたい「甘味」

皆さまお元気ですか?まだまだ寒い日が続いていますが、今日は立春、暦の上では今日が春の始まりです。本格的な寒さはまだ続いていますが、自然界ではすでに春への準備が始まっています。我が家のバラも一見枯れたように見える枝に小さな芽を出していて嬉しくなりました。
私たちも春への準備を始めましょう。今日は春の食事のポイントについてお話しします。

春に摂りたい味は「甘味」です。薬膳でいう「甘味」とはチョコやクッキーなどの甘い味のことではなく、よく噛むと感じられるお米や野菜そのものがもつ甘味のことです。

植物は寒く厳しい冬に凍えて枯れてしまわないために糖分を蓄えています。この植物のもつ甘味は胃腸を健やかにしてくれるので春に取り入れたい味です。雑穀、豆、芋、野菜には甘味を持つ食材が多くありますが、今回はその中から「やまいも」をご紹介します。

これを知れば「やまいも」が好きになる!

↑写真は長芋です

いいことだらけの「やまいも」

「やまいも」は特定の品種は無く、ヤマイモ科に属する芋類の総称です。一般的なのは「山芋」「自然薯」「大和芋」「長芋」などで粘りがあるのが特徴です。それぞれ粘りの強さの差はありますが効能はほぼ同じです。「やまいも」の中でも野菜売り場で1番多く見かけるのは長芋ではないでしょうか。通年出回っており安価なので私も長芋をよく使います。

「やまいも」は生薬名を「山薬(さんやく)」といい漢方薬の原料でもあります。「山のうなぎ」と言われ、とても滋養のある食材です。

温性
甘味
脾・肺・腎

「やまいも」は、体を温める性質があり甘味、五臓の脾・肺・腎に働きかける食材です。消化を助け胃腸を丈夫にし、肺を潤し、生命活動の源となる腎を養うので疲労回復や滋養強壮などに効果があります。

薬草学の古典本『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』には【虚弱、痩せ、脾胃の損傷を補う。寒熱邪気を取り除く。長期間服用すると筋肉が強壮になる。耳目が聡明になり、身体が軽くなり、長寿になる】と書いてあります。そして、毒性がなく作用が穏やかで長期間服用しても副作用がないことからお薬としては「上品(じょうほん)」として分類さています。

「やまいも」は毎日の食事に取り入れることで私たちの体を健康に導いてくれる食材でもありお薬でもある「食薬」なのです。「やまいも」は生のままでも食べられる唯一の芋です。味にクセがないので、生のまますりおろしてとろろにしたり、刻んで食べたり、煮る、焼く、蒸す、揚げるなどどんな調理法でも美味しく食べられるので、毎日食べても飽きずに続けられるのではないでしょうか。

↑これは夏の一品。長芋の千切りに梅干し、ワカメ、キュウリ、モロヘイヤ、白ごま。汗で失われた水分を補い梅の酸味で汗のかきすぎを抑える薬膳料理です。

「痒い」のもこうすれば大丈夫

「やまいもは好きだけど手が痒くなるので苦手」、「ネバネバしているので扱いにくい」という方も多いですが、このネバネバは腸内環境を良くし免疫力をアップしてくれる大事な成分です。手が痒くなる方はやまいもを扱う前に酢を水で薄めたもので手を洗ってから扱ってみてください。
あるいは皮付きのまま使ってみませんか?皮付きのまま調理すると手が痒くなることも少ないですよ。煮物やスープの具にする場合、皮付きのまま作ると煮崩れしづらくなりますし食べてた時にも違和感ありませんよ。

例えば、肉じゃがのじゃがいもの代わりにやまいもを使って作ると早く煮えるので時短になりますし、効能もアップします。煮物やスープにするときは是非皮ごと使ってみて下さい。やまいもの新しい美味しさに気がつくと思います。

↑これは皮付きの長芋、鶏手羽先、なつめ、ゆり根、人参を圧力鍋で煮て作ったサムゲタン風スープです。体が温まる食べるスープです。

簡単やまいもレシピ

今回は簡単に作れるやまいものレシピを1つご紹介します。

「長芋のベーコン巻き」

◼︎材料

長 芋   6㎝くらい
ベーコン  4枚程度
焼き海苔  全型1枚
塩胡椒   少々
油     少々

◼︎作り方

①長芋を綺麗に洗い、平たい棒状に切る(皮付きでも可)
②長芋にベーコンを巻きその上から焼き海苔を巻く。

③フライパンに油をひき弱火でベーコンに焼き色がつく程度に焼く。
④塩胡椒をふり味をつけたら出来上がり。

サクサクした長芋の食感が楽しい1品です。簡単にできるわりにとても美味しいですよ。生で食べられるので火の通り具合はそれほど気にしないでも大丈夫です。

じっくり火を通せばほくほくの食感に、さっとベーコンを炙る程度に火を通せばサクサクの食感になるので焼き加減はお好みの食感で。間にチーズを挟んでも美味しいですよ。

ご飯やパンどちらにも合うおかずです。お弁当や、おつまみ、おやつにもなりますので是非一度作ってみてください。

「やまいも」はこんな方におすすめ

の調子を整えるので、食欲不振、消化不良、疲労回復に。
を潤すので、空咳、喉の渇きや痛み、お肌の乾燥対策、かぜ予防に。
を強化するので、虚弱体質の改善、お子様の発育促進、精力増進、頻尿、夜間尿、尿もれ、足腰のだるさや痛み、アンチエイジングに。

沢山の効能を持つやまいもですが、食べ過ぎず少量から始めましょう。特に胃腸の弱い方、ためこみ体質の方、お腹にガスが溜まりやすい方は少量からスタートし様子を見ながら続けてみてください。
皆さまの「やまいものレシピ」の1つに加えて頂けると嬉しいです。

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