おすすめ冬の食養生「菊の花」
こんにちは。サロン結香の矢澤ともみです。
早いもので立冬を迎え、年末にむけて忙しなくなってきますね。この時期、サロンでは「頭と瞼の火照り」のご相談をいただくことが増えてきます。状況を伺うと、職場の環境と仕事に集中している時間に特徴がありました。一年の締めくくりになる師走。元気にお過ごしいただけるよう、今回は冬場の「頭と瞼の火照り」にむけて花を用いた養生法をご紹介いたします。
冬の暖め過ぎに気をつけよう
現代は、長時間パソコンと向かい合う職業の方が多いと思います。パソコンの画面を凝視して、気がつけば休憩もなく終業の時間になっていた!なんてことありませんでしょうか?冬の寒い季節は、暖房で部屋を暖めながら仕事をされると思います。
暖かい空気は上に溜まる特徴があり、温度が高くなりすぎると頭が温風の影響でぼーっとしませんか?
また、長時間、パソコンの画面一点を見続けることで、目元周りの気血(血流やリンパ液など)の流れが滞りやすくなります。すると、部屋の暖かすぎる温度と要因が重なり頭や瞼の火照りがでやすい環境に。パソコンも長時間使うと熱をもちますよね。人間のカラダも同じです。火照りから痛みが出る前に、ご紹介しているのが「菊の花」を用いた養生法です。
日本人に馴染みが深い菊の花
最近では、食べられる花としてエディブルフラワー(食用花)をみかける機会が増えました。華やかな見た目から、スィーツなどに使われる機会が増えたようです。
この、エディブルフワラーが登場する前から日本では「菊」を食べる習慣がありました。今では、食用菊としてスーパーで購入ができ、乾燥した菊の花は中国食材やお茶を扱うお店で手軽に購入できるようになりましたね。さて、この菊の花には、どんな特徴があるのでしょうか。
特徴の一つに、清熱明目(せいねつめいもく)という作用があります。
これは、熱のクールダウンや、目の疲れ(眼精疲労・涙目・目の充血)をやわらげますよということです。以前、私も、パソコン仕事に集中しすぎて頭や目がオーバーヒートした経験があります。その時に、菊の花を食べて籠っていた熱が、すーっと引いていく体験をしました。
それ以来、我が家の台所という薬箱にも、菊の花は常備するようにしています。
食用菊の保存法と活用法について
食用菊は、スーパーなどでみると、けっこう多い量で販売されていると思います。一人暮らしの方だと、量の多さに躊躇されることもあるのではないでしょうか?ご安心ください。実は、冷凍して保存することもできるのです。
冷凍保存について
- 花びらをがくから外して、軽く水洗いをします。
- お鍋にお湯を沸かし、沸騰したら少しお酢を入れ、1を湯通しする。
- ペーパータオルなどで軽く水気をとり、使いやすい量を小分けする。
- 粗熱がとれたらラップで包み冷凍庫へ。
このように、小分けをして冷凍することで手軽に活用できるようになりました。
活用法について
お粥にトッピングをしたり、お湯をそそいでお茶としていただいています。
また、淡い紫色の菊は、見た目の美しさや独特の味の良さから、食用菊の王様といわれます。
延命楽(えんめいらく)という品種で、もってのほかとも呼ばれています。
黄菊は、年中手に入るようになりましたが、もってのほかは、9月下旬から11月上旬に出回るようです。タイミングよく手に入った時は、白米と粟のご飯に混ぜておにぎりを作りました。
色合いがとてもキレイで、疲れていた目と気持ちを喜ばせることにも繋がったおにぎりです。その他には、うどんを作った際に、冷凍した食用菊をそのまま入れて使っていたりと。ただ、食用菊の美味しさは、シャキシャキとした歯応え。ですから、火の通し過ぎにはご注意くださいね。
※菊は熱を冷ます特徴から、冷えやすい方は、量に注意して使用してください。
菊は女性のココロも癒す
お客様に「菊の花」を取り入れた養生法をご紹介する際、よくお母様との想い出話をしてくださいます。子供の頃に、菊の花を使った酢の物やおひたしが食卓に並んでいたそうです。子供の頃は、苦手だったけれども当時を振り返ると、お母様の思いやりを感じて、家庭料理のありがたさに気がつかれたようでした。
実は、私の母は食用菊の生産地として有名な山形出身です。子供の頃「菊を食べるとキレイになる」といって、食卓に菊の酢の物をだしてくれていました。あの時は、苦手で食べられなかった菊の花。ただ、その頃の母と同じ年齢になった今は、よさが分かるようになり、私にとっても母との想い出話の一つです。
いかがでしたでしょうか? 食べ物は、穏やかに体調を整えてくれるよさがあります。特に、食用菊は花の香りが楽しめる所も、女性に喜ばれているようですね。
冬に頭と瞼の火照りが出た時は、少しでも目を休める時間をもうけ、外の空気を「はぁ~」と吸いにいくこともオススメですよ。
食用菊でも体調を調整しつつ、どうぞご自愛ください。それでは、次回のコラムで元気にお会いしましょう!