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しっかり噛んで食べると何が良いの?!

しっかり噛んで食べると何が良いの?!
ステラデンタルクリニック(広島県)の薬剤師・国際中医臨床薬膳師の豊田暖佳です。皆さんは、食事中よく噛んで食べていますか?どうしてよく噛んで食べると良いのかと自然と噛みやすくなるコツを今回はお伝えしたいと思います。

弥生時代は、現代人の6倍噛んで食べていた?!

邪馬台国の女王卑弥呼の食事は、玄米や乾燥した木の実、干物など硬くて噛み応えのある食材であったと言われています。しっかりと噛まないと飲み込めないため、自然と噛む回数も増えます。当時の噛む回数は、1食で約4000回だったと言われています。しかし、現代は食文化の変化や食品の加工技術の進歩により、パン、パスタ、ハンバーグなどあまり噛まなくても飲み込める食事が多くなっているので、現代人の1食の噛む回数は、約620回と言われています。1/6も噛む回数が減っています。噛む回数が減るとどのような影響があるのでしょうか?

『卑弥呼の歯がいーぜ』とは?

『卑弥呼の歯がいーぜ』とは、日本咀嚼学会が提案する噛む事の効用を咀嚼回数の多かった弥生時代の卑弥呼にかけて表したものです。

『ひ』…肥満防止

ゆっくりよく噛んで食事をすると、脳の満腹中枢が刺激され、早い段階で満腹感が得られ、食べ過ぎによる肥満を防ぐことができます。

『み』…味覚の発達

食べ物をよく噛むことで舌の味覚センサー『味蕾(みらい)』が働きやすくなり、味覚を感じやすくなります。

『こ』…言葉の正しい発音

しっかり噛むことで、舌、顎、口周りの筋肉が発達するので、滑舌がよくなり、言葉の発音が良くなります。

『の』…脳の働きを良くする

噛む回数が増えると、脳に送られる血液量が増えると言われています。脳にある色々な神経細胞を刺激するので、子どもは発育や知育の発達、高齢者は認知症予防に繋がります。

『は』…歯の病気の予防

良く噛むと、唾液の分泌が増えます。唾液には下記のような働きがあるので、虫歯や歯周病の予防になります。

・食べかすや歯石を洗い流す(自浄作用)
・食べ物を分解して消化を促す(消化作用)
・細菌の増殖を抑える(抗菌作用)
・お口の環境が飲食などで酸性に傾いても中性に戻す(緩衝作用)
・味を感じさせたり、飲み込みやすい塊にする(食塊形成作用)
・喉や食道を傷つけにくくする(粘膜保護作用)
・口の粘膜が傷ついたときに修復する(粘膜修復作用)
・飲食により、溶けかかった歯面を修復する(再石灰化作用)
・発音や発声をスムーズにする(潤滑作用)

『が』…ガンの予防

唾液に含まれるペルオキシダーゼとカタラーゼという酵素には、有害な活性酸素を除去し、発がん物質の毒性を消す作用があると言われています。これらの酵素は、少し噛んだくらいでは豊富に働かないので、1回に30秒間たっぷり唾液を出して噛むことが大切です。

『い』…胃腸の働きを促進

良く噛むと、消化酵素(アミラーゼ)を含んだ唾液がたくさん出ます。また、胃に入る前に食べ物を細かく小さく砕いておくことで、胃腸での消化の負担を減らすことができます。早食いであまり噛まずに食べた物は、うまく消化されず、そのまま未消化便として出てしまいます。

『ぜ』…全身への好影響

噛み締める力を育てる事により、全身に力が入り、体力や運動神経の向上、集中力を養う事に繋がると言われています。

どのくらい噛んだらいいの?

一般的に一口あたり30回噛んで食べることが推奨されています。まずは、噛むことを意識して食べることが大切ですが、なかなか続けることが難しい方が多いと思います。ですので、自然に噛む回数が増える食材選びや調理方法、食べ方を実践し、習慣化できると良いですね。

よく噛む習慣を身につけるためのコツ

1.食材選びを工夫する
硬いものや弾力性のある食材、繊維が豊富な食材だと、自然と噛む回数が増えます。

・人参
・レンコン
・するめ
・煮干し
・ナッツ類
・干物
・ドライフルーツ
など
・こんにゃく
・タコ
・イカ
・あさり
・肉
・フランスパン
・漬物
など
・たけのこ
・ごぼう
・もやし
・ほうれん草、小松菜
・きのこ類
・海藻類
など

これらの食材を食卓に積極的に取り入れてみてください。

 

2.調理法を工夫する

・材料を大きく切る
煮物やサラダの具材は大きくカットし、噛まないと食べれない大きさにする。

・加熱時間は短くする
野菜を茹ですぎると、柔らかくなり、噛まなくても食べれるようになるので、茹ですぎない。

・硬い食材と柔らかい食材を組み合わせる
例えばハンバーグを作る際は、ひき肉にレンコンや人参、キノコなども混ぜると噛む回数がアップします。

3.水分で流し込まない
食事の際、口の中に食材が入っているのに、お茶や汁物を飲むと、よく噛まなくても飲み込めてしまいます。本来、しっかり噛んで食事をしていると、唾液がたくさん分泌されるので、水分をとる必要がなくなります。食事中に水分をお代わりしている方は要注意です。食事がすべて終わって、最後にお茶や水を飲むのがオススメです。

4.一口ごとに箸を置く
まだ口の中に食材が残っているのに、次の食材を口に入れると、1つ1つの食材の噛む回数が減ってしまいます。一口食べたら箸を置き、30回噛んで飲み込んだら、また箸をとって一口食べるようにしましょう。

まずは、最初の一口だけでも30回噛んで食べる癖をつけていくと、自然に噛む回数も増えていきますよ。ご家族みんなで数えながら、楽しく食べるのもオススメです。

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