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汗のかきすぎは疲労のもと。 滋養強壮!夏バテ予防スープレシピ

手軽だけどちゃんと養生!
専門家が教える夏のスープ

漢方カウンセラー・養生薬膳アドバイザーの星川美由紀です。“キッチンから健康に”をモットーに、お家でできる食養生をお伝えします。

皆さまこんにちは、毎日暑いですがいかがお過ごしですか?猛暑で、つい冷たい物や生物ばかり食べてはいませんか?
暑い日に飲む冷たい飲み物が喉を通る瞬間はとても気持ちの良いものですが、毎日冷たいものばかり飲んでいると胃腸は困って疲れてしまい、食欲不振や元気が出ないなど夏バテを引き起こす原因になるのでほどほどでお願いしますね。

今日は夏バテ対策のスープをご紹介します。

漢方処方を美味しくアレンジ

生脈散(しょうみゃくさん)という漢方薬があるのをご存知でしょうか?
麦門冬・五味子・人参(注:高麗人参・朝鮮人参のこと。野菜の人参ではない)この3つの生薬で作られています。
働きは「気陰双補」と云い、体内のエネルギーとなる「気」と、体の潤いとなる「陰液」の両方を補うことで体の機能を回復させる漢方薬です。夏に大量の汗をかいて体液が消耗することによって起こる疲労倦怠、動悸、息切れ、喉の渇き、食欲不振などに用いることができます。

今回はこの3つの生薬【麦門冬、五味子、人参】に似た働きを持つ食材を使って夏にぴったりなスープを作りましょう。

それぞれの生薬の代用としては、
麦門冬(体を潤し喉の渇きを癒す)の代わりに、白ごま、黒ごま、豆乳
五味子(汗のかき過ぎなどの体液の消耗を防ぐ)の代わりに、梅干し
人 参(体内のエネルギーを補い体力をつける)の代わりに長芋を使います。

夏の養生スープの作り方

材料(1人分)

  • 豆乳       100cc
  • 白ごまペースト  小さじ半分
  • すり下ろした長芋 小さじ1
  • 味噌       小さじ1
  • 刻んだ梅干し   半個分
  • 黒ごま      少々

作り方

1.カップに豆乳、白ごまペースト、味噌を入れよく混ぜたら、すり下ろした長芋を入れてさらによく混ぜる。

2.①を電子レンジで人肌程度に加熱する。

3.刻んだ梅干し、黒ごまを入れたら出来上がり。

長芋はすり下ろしても刻んでもどちらでも大丈夫です。必ず調味料がよく混ざってから入れて下さいね。

火を使わないのでキッチンで汗かくこともなくあっという間に出来上がります。簡単ですが梅干しの酸味が程よく効いてさっぱり美味しいスープです。
食欲がない時、胃が疲れている時、大量に汗をかいた後、このスープで元気をチャージして下さい。

アレンジ

味付けを少し濃い目に作ると、そうめんのお汁にも使えます。

この日は濃い目に作ったスープに、青ネギの小口切りを追加しました。

もちろん梅干しの刻んだものも入っています。

 

このように食材の力をうまく利用して体の余分な熱を冷ましたり、体を潤したりできると体に負担をかけることなく暑い夏も上手に乗り切れると思います。

ぜひ作ってみて下さい!

この記事を書いた人

星川美由紀

漢方カウンセラー・養生薬膳アドバイザー
広島県呉市出身。群馬県館林で漢方カウンセラー、養生薬膳アドバイザーとして「漢方養生・薬膳・発酵ワークショップサロン」を主宰。モットーは【キッチンから健康に】。
医療者任せではなく自分の体の不調は自分で改善したり、予防できる人が増えて欲しいという願いから、一般向け講座で幅広い層へ漢方養生を伝える活動を行っている。冷蔵庫にあるものでもお薬の代わりになる使い方のコツや、日々の食事、ちょっとした心がけで体を整える養生法が得意。

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「漢方」をもっとよく知ろう!

2000年以上前の古代中国で生まれた中医学。 それが日本に伝わり、
独自の発展を遂げた日本漢方、韓国においては韓方。
それぞれの国で伝統医学が存在しています。 歴史が長い分、
多くの理論や考え方が派生しています。

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