管理栄養士・国際中医薬膳師の趙みどりです。今回は熱中症対策についてまとめてみました。
今年はまだ6月だというのに記録的な猛暑が続いています。6月30日では東京都心で36.4℃と6月1位の記録を更新しました。
加えて電力供給ひっ迫で節電要請などもあり、どうしたらいいのか迷われるかたも多いのではないでしょうか?
こまめな水分補給、適切な冷房の使用など熱中症予防は十分にするよう心がけましょう。
熱中症はどのように起こるのか
熱中症の原因
熱中症を引き起こす要因はいくつか考えられます。
- 気温が高い、湿度が高い、風が弱い、日差しが強い、閉め切った屋内
- 高齢者や乳幼児、肥満の方、糖尿病、二日酔いや寝不足などで体温調節がうまくできない
- 激しい運動や長時間の野外作業、水分補給できない状況
これらの要因により汗や皮膚温度での体温調節がうまくできず体温が上昇して熱中症を引き起こしてしまいます。
熱中症を予防するには
・涼しい服装にする
・日陰を利用する
・日傘や帽子を忘れずに
・水分、塩分の補給をする
・適度なエアコンの利用
熱中症対策グッズ
最近では100均やドラッグストアなどでもさまざまな熱中症対策グッズが販売されています。ご自分にあうものを見つけて夏を乗り切りましょう。
・帽子に付けるヘッドクール(帽子の裏に付けて冷やす)
・ネッククーラー(簡単に首を冷やすアイテム)
・冷感タオル(水に濡らして振ると冷たくなるアイテム)
・塩飴(手軽な塩分補給に。食べすぎには注意しましょう)
・アイスノン(寝苦しい夜に頭をひんやり)
・冷感敷きパッド
そのほかにもさまざまなグッズがあるので探してみてください
脱水症とは
脱水症とは水と電解質が不足した状態です。食欲不振、下痢、嘔吐などの症状が現れます。
通常、1日の水分摂取量と排泄量はほぼ一定で平衡を保っています。水分の摂取は主に飲料水と食物に含まれる水分からで、その他に体内で栄養素が酸化されてできる代謝水があります。
1日の水の損失量は、摂取量にもよりますが尿として約1,400㎖、糞便中の水分として200㎖、肺や皮膚からの不感蒸泄でおよそ900㎖、合計で約2500㎖程度とされます。
水分摂取は食事から1000㎖、飲水で1000㎖程度の摂取を目標としましょう。
参考:スポーツなどする場合は運動開始の2~4時間前に5~10㎖/kg体重の水分を補給
(アスリートの栄養アセスメントより)
飲水は少量ずつ、こまめに摂取しましょう。
食事からの水分は、味噌汁、スープ、粥、雑炊、あんかけ、煮物、蒸し物などが水分を摂りやすいです。これからの季節はきゅうり、すいかなど瓜類も水分を補ってくれます。
家庭でできる手作り経口補水液
水分と電解質を補給できる経口補水液はご自宅でも作ることができます。
・水 500㎖
・砂糖 20g
・塩 1.5g
・レモン汁 25㎖
材料をすべて加え、よくかき混ぜる。冷蔵庫で保管しできるだけ早く飲み切りましょう。
・水 500㎖
・砂糖 20g
・塩 1.5g
・ゆず茶(市販のもの)小さじ2
熱中症予防情報サイト
環境省の熱中症予防情報サイトでは熱中症アラートのメール配信サービスがあります。熱中症予防の注意を促す意味でも、利用してみてはいかかでしょうか?
PC・スマートフォン https://plus.sugumail.com/usr/env/home
フィーチャーフォン https://m.sugumail.com/m/env/home
【引用・参考文献】
・山本みどり他 2020『改訂6版 臨床栄養ディクショナリー』メディカ出版.
・足立香代子 2006『検査値に基づいた栄養アセスメントとケアプランの実際―低栄養から静脈・経腸栄養までかかわれるために』 チーム医療.
・田口素子他 2017『アスリートの栄養アセスメント』 第一出版.
・田村佳奈美 2019『栄養ケアマネジメント』 メディカ出版.