子どもの風邪で困ったときは、漢方薬も選択肢に入れてみよう

 

子どもの風邪で困ったときは
漢方薬も選択肢に入れてみよう

ステラデンタルクリニックに所属している薬剤師・国際中医臨床薬膳師の豊田暖佳です。
今回は、「子どもの症状に漢方薬は使えるの?」の疑問についてお答えしようと思います。
漢方薬と聞くと「苦そう」「すぐに効かなそう」「長く飲まないといけない」などと思われ、子どもの体調不良の改善の選択に漢方薬が思い浮かばない方も多いと思います。

漢方薬って苦いんでしょ?!

まず味に関してですが、漢方薬は苦いお薬だけではありません。
例えばお子さんの体質改善に良く使われる小建中湯(しょうけんちゅうとう)という漢方薬には、膠飴(こうい)というが入っていて甘いお薬です。
他にも、甘麦大棗湯(かんばくたいそうとう)という漢方薬は、甘草、小麦、ナツメの3味からできており、甘くて飲みやすいです。
実際、多くのお子さんに味見をしてもらうと、美味しい!と言って飲んでくれます。

漢方薬をお子さんに飲ませるポイント!

まずは甘い漢方薬からスタート!

漢方薬は甘くて美味しいと分かれば、子どもは飲んでくれます。飲む前から”漢方薬=苦い”というイメージをもつのは損です。どうしても飲みにくい場合は、はちみつ(1歳未満には使用しない)、ココア、ゼリーなど味の濃いものに混ぜて飲ませてみてください。錠剤が飲めるお子様は、錠剤にしてみる方法もあります。

親も一緒に漢方薬を飲む

日ごろから、親が何かあったら漢方薬という風に、漢方薬を飲んでいる姿を見せていると、「私も、僕も飲んでみたい!」と自然になります。
味の問題だけでなく、夜泣きやかんしゃくなどの精神的な症状が出ている場合は、お子さんだけでなく、母親も一緒に漢方薬を飲むと治りも早かったと昔から言われています(母子同服)。

漢方薬ってすぐに効くの?!

・発熱
・咳
・鼻水
・急性胃腸炎による下痢や嘔吐
など

 

上記の症状が出たときは、早めに体質に合った漢方薬を適切な量服用すると、次の日には治っていることも少なくありません。
基本的に子どもは東洋医学的には体質は陽証実証タイプが多いです。

・熱がり
・喉が良く乾き、お水をよく飲む
・平熱が高い(36.7℃以上)
・冷やすと症状が軽減する
など
・元気がある、体力がある
・声が太く大きい
・眼に力があり生き生きしている
・症状は比較的強く激しい
など

ですので、ウィルスと闘う力が強く、症状が出ると激しい(すぐに38℃以上の熱が出るなど)ですが、回復力も早いです。体内にウィルスが侵入した際、それらを倒すために、身体の免疫反応が働き、発熱し、汗をかき、ウィルスを追い出すために咳や鼻水を出しています。漢方薬はそれらの免疫反応をより全力に行えるようにサポートしてくれます。
例えば葛根湯は、寒気がして頭痛があり、発熱した場合、早めに飲むと、汗を出す力をサポートし、熱を自然に下げてくれます。子どもは、自分自身の体力も強いので、大人より、漢方薬の反応がよく、治りが早いと言われています。

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症状によって、オススメの漢方薬は変わってきますので、漢方薬の専門家に相談して、症状に合った漢方薬を服用し、風邪をすっきり治していきましょう。(3日以上高熱や下痢、嘔吐などが続いている場合やしんどそうな場合は病院を受診してください)

漢方薬って長く飲まないといけないの?!

上記のような急性症状で漢方薬を服用する場合は、1日から3日くらいの服用で良くなることが多いです。

・風邪をひきやすい
・中耳炎を繰り返す
・便秘
・夜泣きがひどい
・かんしゃくがひどい
など

上記のような慢性的な症状がある場合は、1日2日では治らないので、人にもよりますが、4から6か月くらい続けていただき、体質改善していきます。体質改善には、日ごろの食生活、腸内環境、親子関係など様々なことが関係しますので、それらも含めて、改善していくと、漢方薬を飲み止めた後も、継続して健康を維持することができます。

 

私自身、2歳と4歳の息子がおりますが、発熱した時やお腹が緩い時などは、まずは漢方薬を飲ませます。1歳ごろから飲んでいるので、4歳の息子は、苦いお薬でも「これ飲んだらすぐ治るから飲もうね」と言うと、頑張ってグイっと飲んでくれ、次の日には治っています。皆様もご自身だけでなく、お子さんの体調不良にも漢方薬を選択肢に入れてみてくださいね。

この記事を書いた人

豊田暖佳

薬剤師・国際中医臨床薬膳師・幼児食インストラクター
星薬科大学を卒業後、薬日本堂に入社。実家の広島に戻り、1年半調剤薬局を経験した後、東洋医学の大切さを再認識し、再度、漢方薬局に就職。 子宝、生理痛、子宮筋腫、皮膚症状などを中心に、のべ5000人以上の方の漢方相談の経験があり、 2022年よりステラデンタルクリニックに所属し、お口の健康だけでなく、栄養と東洋医学の知識も含め、全身の健康づくりのお手伝いができるようにサポートしています。 自身も2歳と4歳の子どもがいるので、2度の出産と育児の経験を活かし、マタニティ歯科教室や離乳食、幼児食教室などを開催し、養生法も含めてお伝えしています。

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