赤ちゃんの歯は妊娠時に形成!おすすめ栄養素

赤ちゃんの歯は妊娠時に形成!おすすめ栄養素
ステラデンタルクリニックに所属している薬剤師・国際中医臨床薬膳師の豊田暖佳です。本日は、子どもの歯を元気に育てるために妊娠前からしておきたい食事ポイントをお伝えします。

赤ちゃんの歯は妊娠時に形成

生まれたときは歯が生えていないので、生まれてから徐々に歯は作られると思われる方もいるかもしれません。しかし、答えは、お母さんのお腹の中にいる妊娠7週目ごろから乳歯(子どもの歯)の元となる歯胚(歯の芽)は形成されます。そして妊娠3か月半から9か月ごろになると永久歯(大人の歯)の歯胚も形成されるのです。妊娠5か月ごろになると、乳歯の石灰化(硬くなる)が始まります。このように歯の成長は赤ちゃんお腹の中にいるときから始まっています。

ですので!お母さんの栄養が生まれてくる赤ちゃんの歯にかなり影響してきます。歯の形成に必要な栄養素が長期的に不足してしまうと、生まれつき歯の本数が少なかったり、歯の欠けがあったり、歯の根が弱くなるなどお子さんの歯に様々な問題が起こってきます。そうならないためにも、妊娠中から(できたら妊娠前から)バランスの良い食事を心がけましょう。

元気な歯を育てるオススメ栄養素

歯の基礎を作るのに一番大切な栄養素は、タンパク質です。特にアミノ酸スコアが高い動物性タンパク質がオススメです。

卵、牛肉、豚肉、鶏肉、鮭、カツオなど

 朝はパン、昼はうどん、夜はパスタなど炭水化物だけになっている方も多いので、毎食タンパク質を食べることを意識しましょう。食事ではなかなか難しい方は、添加物の含まれていないホエイプロテインを活用することもオススメです。

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(*アミノ酸スコア…タンパク質の栄養価を示す指標。タンパク質を構成するアミノ酸は、必須アミノ酸と非必須アミノ酸に分けられている。そして、体内で生成することのできない9種類の必須アミノ酸がどれくらい満たされているかでアミノ酸スコアは算出され、100に近い数値であるほど栄養価が高い。)

次に、歯の石灰化(硬くする)に必要な栄養素はカルシウムリンですが、比率も重要になります。体によく吸収される比率は11です。

真イワシ、プロセスチーズ、干しエビなど

リンは多くの食べ物に含まれているので、不足することはないですが、インスタント食品や加工食品、清涼飲料水などに使われているので、それらをよく食べているとリンが過剰になってしまい、逆にカルシウムの吸収が阻害されてしまいます。歯の石灰化の妨げになることもあるので、妊娠中は特にインスタント食品や加工食品の食べすぎには注意しましょう。

さらにカルシウムと一緒に摂りたい栄養素が、ビタミンDです。ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるだけでなく、血中のカルシウムバランスも整えてくれます。ビタミンDは1日約15分の日光浴により、皮下で作りだすことができるので、午前中に散歩を毎日してみましょう。食材ではキノコ類に多く含まれています。

東洋医学的に歯とは?

東洋医学的には、歯は骨が余ったものとされ、五行論では『腎』に深い関係があると言われています。腎とは両親から先天的に受け継いだ生きるためのエネルギー源を蓄えるところと考えられています。身体の発達や成長、維持にとても深く関わっています。

腎を補う食材は、「黒い食材」と「鹹味(かんみ)(塩辛い)」の性質をもつものと言われています。

黒豆、黒ゴマ、くるみ、栗、イカ、アジ、豚肉など
昆布、わかめ、海苔、ひじきなど
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元気な歯を育てる食事は、栄養学的にも東洋医学的にも結果的に全身の体の発達や成長にも繋がります。今妊娠中の方、これから妊娠する方は、少しずつでもよいので、これらの食事を取り入れてみてください。また、すでに出産され、妊娠中の食事には自信がなかったお母さん達も安心してください。今からでも遅くないです。乳歯の完成は、1歳半から3歳。そして、永久歯の石灰化は生まれてから3歳、完成は9歳から16歳です。今日からお子様への食事のメニューに取り入れてみてください。

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この記事を書いた人

豊田暖佳

薬剤師・国際中医臨床薬膳師
星薬科大学を卒業後、薬日本堂に入社。実家の広島に戻り、1年半調剤薬局を経験した後、東洋医学の大切さを再認識し、再度、漢方薬局に就職。 子宝、生理痛、子宮筋腫、皮膚症状などを中心に、のべ5000人以上の方の漢方相談の経験があり、 2022年よりステラデンタルクリニックに所属し、お口の健康だけでなく、栄養と東洋医学の知識も含め、全身の健康づくりのお手伝いができるようにサポートしています。 自身も2歳と4歳の子どもがいるので、2度の出産と育児の経験を活かし、マタニティ歯科教室や離乳食、幼児食教室などを開催し、養生法も含めてお伝えしています。

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