東洋医学で考えるお口の乾きのキケン

東洋医学で考えるお口の乾きのキケン

こんにちは!病院の歯科口腔外科にて診療をしている歯科医師の吉田健人と申します。
前編に続き、お口の乾きは万病の元であることを東洋医学視点でお伝えします。

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東洋医学では唾液はどんなもの?

東洋医学では患者さんの状態を診断するのに様々な物差しを使って診断(弁証)します!今回はその一部をご紹介します。

気血水理論

体を気血水の三つの観点から分析する方法です。

気:見えない体のエネルギー
血:血液から水分を取り除いたものを考える。血球成分や血液中のタンパク質など。
():血液中の水分。血漿と言われる成分で、唾液はこれに該当。

お口の乾きでは水の不足や水の分布異常が原因で起こると考えます。

臓腑理論

体を五臓(肝心脾肺腎)の観点から異常を分析する方法です。

お口の乾きでは肝・脾・腎の低下が原因で起こると考えます。

 

体質別のお口の乾き

前項にて肝脾腎での機能低下によりお口の乾きが出現することはお分かり頂けましたでしょうか?
では東洋医学での臓器別にお口の乾きを見ていきましょう!

肝:ストレスが原因になりやすい

日常生活における様々なストレスの影響により肝に負担がかかると、肝への気血の巡りが悪くなります(肝気鬱血)。
するとイライラしやすい、怒りやすい、眠りがよくないなどの症状が出てきます。

(血水)を調節できなくなり、水の不足、偏り(分布異常)が発生するという仕組みです。

思考や感情を司どる
(血や水)の量を調節

また肝は目に開口するといい、目を酷使する方は肝に負担がかかりやすいです。

よく使う漢方薬

肝に対するストレスでよく使われる生薬として柴胡(さいこ)があります。
柴胡を含む方剤を使用します。

加味逍遙散、四逆散、抑肝散など

 

脾胃:胃腸が弱い人に多い

東洋医学では胃腸などの消化器官は脾胃(ひい)と表現します。

陰の運化(血水の補給と運搬)
・陰の調整(血水量の調節)

脾胃は食物から取り出した栄養を(血水)に変えて補給運搬して調節を行うので、異常により体の水不足や水の分布異常が生じます。

Ⅰ)日常生活で胃腸が強くなく、下痢やお腹を崩しやすい。食欲低下する方
Ⅱ)胃腸は強い方だが、便秘や腹部膨満感などの症状がある方

よく使う漢方薬

水の分布を整える五苓散胃苓湯。
脾胃の機能を改善する補中益気湯六君子湯など。
脾胃の熱を冷ます白虎加人参湯麦門冬湯を使用します。

腎:加齢による原因が多い

加齢に従って体の機能(腎の機能)が落ちていくことにより、体内の水の調節機能も落ちていくというイメージです。

生命力維持作用(生命のエネルギーや元気を産み出す臓器)
・水の排泄管理作用(尿や便の排泄)

加齢に加えて頻尿、坐骨神経痛などの腰痛、冷え性などがある方が該当します。

よく使う漢方薬

六味地黄丸、八味地黄丸、牛車腎気丸:腎の血水を補う
真武湯:腎の気を補う

お口の乾きってお口の中だけの問題じゃなく、体全体に影響し相互に関わりあっていることがお分かり頂けましたでしょうか?

お口の乾きから体全体の状態を知り、お口からも体を整えて健康で楽しい毎日を過ごすきっかけしてくださいね!

 

この記事を書いた人

吉田健人

歯科医師
AEAJアロマテラピー検定1級
病院にて口腔外科と麻酔学を勉強する傍、体に優しい医療を実践する為に東洋医学とアロマセラピーを治療と予防に使っています。 夢は病院を楽しくてエンターテイメントを提供できるみんなが行きたいと思える場に変えていくことです。

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