お口の乾きは万病の元!?現役歯科医師から教わるお口の役割

お口の乾きは万病の元!?

こんにちは!歯科医師の吉田健人と申します。
現在病院の歯科口腔外科にて診療をしている現役のドクターをしております。
東洋医学やアロマなどを使って健やかな毎日を送れるように情報発信していきます!

現代人はお口がカラカラ!?

病院で診察していると老若男女問わずお口の中が乾いておられる方が来院されます。原因は様々ですが、代表的なものとして加齢、ストレス、食生活、性癖etc…があります。

お口が乾くと派生的によくないことが起こることが知られています。虫歯、歯周病、口内炎、舌の痛み、風邪などの呼吸器感染症など様々なことが起こります。
冬が深まり寒い季節、お口の乾燥を防いで健やかで元気な毎日を過ごして行きましょう!

口呼吸はウイルス・菌いらっしゃい状態

皆さんは呼吸する時にお鼻でするように心掛けていますか?
マスクをして過ごすことが多くなった日常だとお口が開いていても、マスクで隠れてカッコ悪くないから
無意識にお口で呼吸する方も多いかと思います。

でも口呼吸をしていると風邪や肺の病気にかかりやすくなっちゃうんです!

お口で呼吸(口呼吸)は外の異物(ウイルス、細菌、微小粒子)を喉や肺に素通りさせてしまいます。
本来のお口の役割は食事を全部体内に取り入れる入口、発声するときに使う出口。

食事の時には体に害のある物を普通は食べないですよね?だから異物を外に出す仕組みがあまり整ってないのが特徴です。

口とは対照的なのがお鼻です。
呼吸する時には空気を選ぶことはできないので、異物が入って来る前提で設計されています。

「空気の通り道」
人体の正常構造と機能 日本医事新報社 第3版 P.8 より引用

 

鼻毛で異物侵入をブロックしたり、鼻粘膜にある繊毛で異物を絡めとり、鼻水を垂らして異物を体外へ追い出します。

気功での基本的な呼吸法は腹式呼吸(鼻で吸って口または鼻で吐く)ですが、解剖学的にも正しいみたいです。

そしてもちろん口呼吸は空気の通りが良くなるのでお口の乾きを引き起こしてしまいます。口呼吸は病気の元、鼻を使った腹式呼吸を心掛けましょう!

唾液は免疫や虫歯予防に必要不可欠

皆さんは唾液にどんなイメージをお持ちでしょうか?

(よだれ)を垂らすのはカッコ悪いなぁ〜
(つば)って汚いものでしょ!?

おそらく良いイメージをお持ちの方はあまりいなさそうな気がしています。。。
なんですが、唾液って体に必要不可欠であり、ないと体が不調になってしまうんですよ!唾液の主な作用を見ていきましょう!

消化作用

【アミラーゼ】
ご飯やパンを長く噛んでいるとほんのり甘くなりませんか?これは唾液の消化作用によって、デンプンが糖にまで細かく分解されているからです。皆さんもご存知の方も多いかと思います。

抗菌作用

【リゾチーム、ラクトペルオキシダーゼ、ラクトフェリン、ヒスタチン、IgA(免疫グロブリン)、ディフェンシン、シスタチン】
メインの機能と言っても言い過ぎではないくらいに様々な成分が入っています。
お口の中にいるウイルスや細菌をやっつける作用があります!

逆に言うと、唾液がないと細菌やウイルスは虫歯や歯周病を引き起こしたり、お口を通して肺や胃腸で悪さをします。
唾液は体の入り口を守る門番として重要なんですね!

粘膜保護作用

【ムチン、PRP
保湿能力や粘性の高い成分が揃っているのが特徴です。

よく噛んだ後の食べ物を固めて飲み込みやすくする機能(潤滑作用)
細菌を絡めて固まりやすくする機能(凝集作用)

があります。

粘膜修復作用

【EGF(上皮成長因子)など】
様々な要因で傷ついた粘膜を修復、再生するのに必要な因子です。
これがないと傷ついたままになり、お口が痛みが続く状態になっちゃいます!

中和作用

【重炭酸系、リン酸塩系】
お口の中って実は血液と同じくらい(ほんの少しアルカリ性)に保たれるようになっているんです!
胃酸や菌が産生した酸は粘膜を傷つけたり、歯を溶かしたりします。そんな時に中和作用で一定にすることでお口の中を正常な状態に保つ機能です。

再石灰化作用

【スタテリン、カルシウムイオン、リン酸イオン】
歯は虫歯の菌(ミュータンス菌)の酸で溶けてしまいます。。。
そんな時に溶けた歯を修復する機能(再石灰化作用)があります。歯を健康に保つにも唾液って重要なんですよ〜!

高齢者のドライマウス 口腔乾燥症・口腔ケアの基礎知識 阪井丘芳著 医歯薬出版株式会社https://www.shien.co.jp/book/sample/s3/8365.pdfより引用

次回は漢方で乾燥予防

今までお口の潤いを保つことの大切さをお話しさせて頂きましたが、実際に自然に出る唾液の量は体の状態によって大きく変わってきます

次回のコラムでは東洋医学や漢方の力を使って、性差や不具合を修正していきましょう!

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この記事を書いた人

吉田健人

歯科医師
AEAJアロマテラピー検定1級
病院にて口腔外科と麻酔学を勉強する傍、体に優しい医療を実践する為に東洋医学とアロマセラピーを治療と予防に使っています。 夢は病院を楽しくてエンターテイメントを提供できるみんなが行きたいと思える場に変えていくことです。

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