鎮痛剤に頼らない頭痛の体質改善

鎮痛剤に頼らない頭痛の体質改善

頭痛がしたら、冷やしますか?温めますか?それとも鎮痛薬に頼ってますか? 

頭の周りや首の後ろから肩、背中にかけての筋肉が緊張から締めつけるように痛む頭痛を緊張性頭痛、ズキンズキンと痛み血管の拡張により神経が刺激されることによって起こる頭痛を片頭痛。

どちらも血行不良が原因と考え、緊張性頭痛は温める、片頭痛は冷やすのが一般的です。

冷やしたり、温めるだけでは原因不明とされる慢性頭痛は改善しません。

生活に支障をきたす慢性頭痛に鎮痛剤や片頭痛薬が手放せない方、多いのではないでしょうか。

鎮痛剤は、頼りすぎでかえって頭痛の原因となることや肝臓や腎臓への負担になることもあり注意が必要です。

一方、中医学的な考えでは、頭痛の症状から身体に潜む原因を考え、頭痛を起こさない体質に注目します。

「身体に潜む原因=体質」を改善し鎮痛剤に頼らないお身体にしていきましょう。

中医学的頭痛とは 

中医学では急性頭痛と慢性頭痛を分けて考えます。

中医学的急性頭痛とは

急に寒くなり、首が凝る、寒気、鼻水、頭痛がするなどはないでしょうか?
寒さや湿度の気候変化によって影響を受けて出た頭痛のことを風寒頭痛と言います。
外から寒気が入ることを、中医学では風寒(ふうかん)と言います。
この時期の頭痛は、風寒(ふうかん)の邪気が頭部に影響し、気血の巡りを滞らせて頭痛を感じることがあります。
薄着で出かけ、外気も冷えていて、ゾクゾク冷えを感じた後に頭痛したことないですか?
それが、風寒頭痛で急性頭痛です。

中医学的慢性頭痛とは

「肝(かん)」、「脾(ひ)」、「腎(じん)」の弱りが原因!
ストレスや睡眠不足、疲労、食事の不摂生などが原因で起こる頭痛を慢性頭痛と言います。
中医学での慢性頭痛の原因は、ストレスで自律神経が乱れやすく血流が滞りやすくなることで「肝(かん)」の巡りが悪くなること、胃腸虚弱から「脾(ひ)」不調から体内の水が停滞し、また脳の栄養となる気と血が足りなくなること、またとの関係や全身を温める力と関係する「腎(じん)」の不調から頭痛を引き起こすと考えられます。

慢性頭痛を治すポイントは、自分のタイプを知ることからですね!


頭痛タイプチェックシート

急性頭痛タイプ

《急性頭痛タイプチェックシート》

□頭から背中にかけて痛い

□肩が凝る

□寒気が強い

□風に当たると症状が悪化する

□くしゃみ、鼻水、咳がでる

《ドラックストアで買える漢方》

葛根湯:寒気や肩のこわばりのある頭痛に 

麻黄湯:寒気や咳もでる頭痛に 

どちらも汗が出ず、寒気を感じたときにすぐに服用することがポイントです!
3日ぐらいの服用が一般的。それ以上服用しても治らない時は急性頭痛だけではない可能性ありです。
慢性頭痛もあるため体質改善が必要です。

《食養生・生活養生》

​​おすすめのお茶:しょうが湯 シナモン紅茶


生活養生:マフラーなどで首を冷やさないように!ねぎ、しょうがなどを温かいスープに入れて内側から温まりましょう。頻繁に風寒頭痛がある方は防御機能が弱り気味。肺気(ウイルスなどからバリアする抵抗力)を補う白い食品(杏仁、白ごま、松の実、山芋)や高麗人参、なつめなどもおすすめ!

慢性頭痛タイプ

①肝 ストレス頭痛

緊張状態が続くなどストレスにより潤い不足となり自律神経が乱れから血の巡りが滞りが原因の頭痛

《ストレス頭痛タイプチェックシート》

□片頭痛であることが多い

□ストレスを受けると頭痛がする

□いつも同じ場所が刺すように痛む

□怒りっぽい

□血圧が高め

□目が充血しやすい

□冷え、のぼせがある

□難聴、耳鳴りがある

□不眠がある、朝早く目が覚める

□便秘している

《ドラックストアで買える漢方》

 釣藤散:イライラして血圧が高め、起床時から頭痛する

 加味逍遙散:イライラ、胸のはり、肩こり、疲れやすいなど頭痛以外も不定愁訴が多い


血圧が明らかに高いときは一度病院でしっかり診てもらうことも必要です!
二次性頭痛といって、脳出血や脳腫瘍といった命に関わる病気が要因となって引き起こされる頭痛もあります。

《食養生・生活養生》

おすすめ食材:セロリ 春菊 小松菜 トマト いか あさり              


お茶:ジャスミン茶 ゆず茶 ローズ茶

 

生活養生:リラックスを心がけましょう。ストレッチや運動で身体のストレス解消をしましょう。柑橘系の香りミントなど香りは気分をスッキリし頭痛を緩和してくれます。

 

オススメ薬膳デザート:柑橘ピール

 

②脾 水たまり頭痛

身体に余分な水がたまり、頭部に栄養が行き届かない状態が原因の頭痛

《水たまり頭痛タイプチェックシート》

□疲れると頭痛が起こる

□目眩を伴う

□動悸、息切れがする

□冷えやすい

□頭重感(ずじゅうかん)が強い

□ダラダラと痛みが長引く

□目眩・吐き気を伴う

□胃上部がつかえる感じがある

□曇りや雨の日に痛む

□食欲がない

《おすすめの漢方》

 半夏白朮天麻湯 :めまい、頭部のふらつきなど頭重感がある頭痛で締め付けるように痛い

 六君子湯など:頭重感と共に、食欲不振、吐き気など胃腸症状を伴うなど胃腸虚弱が慢性化している方

半夏白朮天麻湯は市販薬でドラックストアでは手に入りにくい処方です。
このタイプは水循環が悪いことで胃腸症状が慢性化、めまい、耳がつまる、難聴などを伴うことも。
耳鼻咽喉科、消化器科や漢方薬局等に相談してから服用がおすすめです。

《食養生・生活養生》

おすすめ食材:山芋 ニンジン キャベツ 豆類 さつまいも 鮭


お茶:はとむぎ茶 コーン茶

 

生活養生:胃腸虚弱になっている原因はないか、食の不摂生はないか、まずは食生活の乱れを整えましょう。冷たいもの飲みは避け温かいスープ、おかゆなどがおすすめです。 

 

オススメ薬膳デザート:スイートポテト

③腎 全身冷え頭痛

加齢、虚弱体質から全身を温めるエネルギー不足し、新陳代謝が低下し全身が冷えていることが原因の頭痛

《全身冷え頭痛タイプチェックシート》

□痛みの弱い頭痛が慢性化している

□目眩がある

□耳鳴りがする

□手足の冷え、もしくは火照りがある

□足腰のだるさがある

□物忘れが多い

□トイレが近い

□疲れやすい

□むくみやすい

□眠れない

《おすすめ漢方》

 八味地黄丸:腰がだるい、全身が冷える症状を伴う頭痛

 麻黄附子細辛湯:足腰だるい、冷えが慢性的ある方が、急性頭痛の原因となる寒さ(風寒)の影響を受け出た頭痛

このタイプは慢性病、虚弱体質、加齢から身体の芯から冷えがあり頭痛に繋がっています。
免疫低下も心配です。全身の機能回復として「腎(じん)」の強化が必要です。

《食養生・生活養生》
おすすめ食材:えび 山芋 黒ごま 羊肉 くるみ うなぎ

お茶:杜仲茶 黒豆茶

 

生活養生:にら、しょうが、ねぎ、にんにく、シナモンなど温性食材をとる。しっかり入浴し腰を温める。スクワットなど足腰を鍛える運動も行いましょう。

 

オススメ薬膳デザート:黒糖くるみ

「肝(かん)」、「脾(ひ)」、「腎(じん)」どのタイプでしたか?

ぜひ自分に合った漢方や養生を積極的に取り入れ、鎮痛剤に頼るだけでなく、まずは自分の体質を見直して、身体の中から頭痛を予防していきましょう。

 

急性頭痛に備えドラックストアで漢方薬を常備するのもおすすめです!
慢性化した頭痛はタイプに合った漢方薬の服用が大事です。
漢方薬は一例です。実際の服用は専門家にご相談の上体質改善をおすすめいたします。

 

この記事を書いた人

富岡みほ

薬剤師・国際中医師
調剤薬局を経験後、大手漢方薬局で本店店長を経験、漢方カウセリング10年での臨床経験を元に独立。その後国際中医師取得。現在はパーソナル漢方相談と調剤薬局の二刀流薬剤師として、必要な医療とお薬に頼らないお身体づくりをご提案するパーソナル薬剤師として相談事業を行なっている。

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